日本とサウジアラビア
日サ関係の歩み
国交樹立
1938年にサウジアラビア王国と日本の最初の外交接触が始まり、第2次世界大戦で一時中断しましたが、1955年に正式に外交関係が樹立されました。1958年、東京にサウジアラビア王国大使館が、1960年、ジェッダに日本国大使館が開設され、外交面での本格的な交流が始まりました。
ジェッダにあった日本国大使館は、1984年、他諸国大使館と同様にリヤドに移転し、ジェッダには日本国総領事館が開設されました。
両国要人の交流
1960年、当時交通通信大臣であった故スルターン・ビン・アブドルアジーズ殿下(後に皇太子)が、サウジアラビアの王室並びに閣僚として初めて日本を訪問され、日本サウディアラビア協会の設立総会にも臨席されました。その後、両国の要人による相互訪問が活発となり、1971年には故ファイサル国王が国賓として来日され、故昭和天皇と会見されました。
日本からは1981年に皇太子・同妃両殿下(現天皇・皇后両陛下)が日本の皇室として初めてサウジアラビアを訪問されました。また、1994年には皇太子・雅子妃両殿下がサウジアラビアを訪問され、天皇家二世代にわたる友好関係の歴史の新たな幕開けとなりました。
1998年には、当時リヤド州知事であったサルマン・ビン・アブドルアジーズ殿下(現国王)が最初の訪日をされています。
経済協力の進展
1957年、日本企業のアラビア石油㈱がサウジアラビア政府より石油採掘権を供与され、クウェートとの旧中立地帯沖合で石油の採掘に成功しました。同社の石油生産は、石油採掘権が失効した2000年まで継続し、両国の経済交流の大きな礎となりました。
1974年に勃発した第4次中東戦争の影響で、日本では「石油危機」に陥り、中東の盟主であり石油の大産出国・輸出国であるサウジアラビアの重要性に対する認識が高まりました。これを背景に、1975年、「日本サウジアラビア経済及び技術協力に関する協定」が締結され、両国の経済交流は大きく進展し、日本企業がサウジアラビアに進出することとなりました。1987年には民間レベルでの経済協力の強化・促進を目的として、「日本サウジアラビア民間合同委員会」が発足し、その後「日本サウジアラビアビジネスカウンシル」と改称し、現在も毎年両国で交互に会議が開催され、日サ間の投資促進、貿易拡大、協力関係の強化などについて議論が交わされています。
2005年には、住友化学㈱とサウジアラムコ社によって合弁会社ペトロ・ラービクが設立されました。同社は、紅海沿岸の都市ラービクで、世界最大級の石油精製・石油化学の統合コンビナートを2009年から稼働させ、石油製品や石油化学製品を製造しており、また、付加価値の高い製品を供給する様々なプラントを新設する計画も進められています。
21世紀での重層的・包括的パートナーシップ
1998年10月、故アブドッラー皇太子殿下(後に国王)が、1971年のファイサル国王以来となるサウジアラビアの元首級として訪日され、故小渕首相との間で「日本とサウジアラビアとの間の21世紀に向けた協力に関する共同声明」に署名しました。この共同声明は、新世紀に向けた包括的パートナーシップ構築の幕開けを告げたものでした。
2006年4月、故スルターン皇太子殿下(副首相、国防・航空相兼監察長官)が日本を訪問され、小泉首相(当時)と共に、「日本・サウジアラビア王国間の戦略的・重層的パートナーシップ構築に向けた共同声明」を発表しました。
2007年4月、安倍首相がサウジアラビアを訪れ、この相互訪問によって両国間の歴史は新しい時代の幕を開け、政治、経済、文化、科学のすべての分野で「戦略的・重層的パートナーシップの発展」を目指すことになりました。また、2013年4月には、安倍首相が二度目のサウジアラビア訪問を行ない、両国は資源・エネルギーのみならず、防衛、インフラ整備、農業、医療など様々な分野で協力を進めることとし、「包括的パートナーシップの強化に関する共同声明」を発表しました。
サルマン皇太子殿下(現国王)の訪日
2014年2月、サルマン皇太子殿下(現国王)が日本を公式訪問され、天皇陛下、徳仁皇太子殿下と会見されご親交を深められました。また、安倍首相と会談し、あらゆる分野での包括的パートナーシップを強化し、様々なレベルで協議と協力を継続する旨の共同声明が発せられました。この共同声明では、政治・安全保障、防衛、経済、文化・教育・人物交流の分野での協力を一層強化していくことが表明されました。当協会は、経団連をはじめとする経済四団体と共に、サルマン皇太子殿下並びに同行した閣僚や経済界の代表者を招いて歓迎夕食会を開催しました。サルマン皇太子殿下の訪日により、両国の結びつきは一段と緊密さを増すこととなりました。
国交樹立60周年
2015年、日本とサウジアラビアは国交樹立60周年を迎え、様々な記念行事が両国において開催されました。日本では5月に、サウジアラビアよりアーデル・ファキーフ経済企画大臣、ムハンマド・ビン・サウード殿下(外務次官)、アブドルラティーフ・アル・オスマン総合投資院総裁をはじめとする大規模な代表団が来日し、サウジアラビア政府による「サウジアラビア日本外交関係樹立60周年記念フォーラム」が盛大に開催され、サウジアラビアの民族、芸術、歴史等を紹介する展示会や講演会、民族舞踊ショーなどが行なわれました。当協会も、国交樹立60周年を記念し、「写真で見る日サ友好60年の歩み-国交樹立60周年記念写真集」および元駐日サウジアラビア大使ムハンマド・クルディー氏著「サウジアラビア大使が見た日本」の2冊を刊行し、関係先に配布しました。また、サウジアラビアでは、日本大使館により、サウジでも大人気の日本のアニメの紹介、サウジ女性の伝統的衣装であるアバヤを日本の布地で作成し成果を競い合う「アバヤコンペティション」、日本の各種武道派遣団による柔道、剣道、弓道、空手道から古武術に至る11種もの「日本武道大演武会」などが開催されました。
ムハンマド副皇太子殿下(現皇太子殿下)の訪日
2016年8月31日から9月3日まで、ムハンマド・ビン・サルマン・ビン・アブドルアジーズ・アール・サウード副皇太子殿下・第二副首相兼国防大臣(現皇太子殿下・副首相兼国防大臣)が日本を公式訪問されました。ご滞在中、副皇太子殿下は天皇陛下ならびに徳仁皇太子殿下とお会いになり、ご親交を深められました。また、安倍首相との会談では、「サウジ・ビジョン2030」への日本の協力や安全保障の分野について話し合われ、両国間の協力覚書等の交換に立ち会われた後、首相主催の夕食会に出席されました。
二聖モスクの守護者サルマン国王の訪日
2017年3月12日から15日まで、二聖モスクの守護者サルマン・ビン・アブドルアジーズ・アール・サウード国王が日本を公式訪問されました。サルマン国王は、1998年にはリヤド州知事として、2014年には皇太子として訪日されていますが、国王に即位されてからは初めての訪日となりました。サルマン国王は、ご滞在中、天皇陛下主催御昼餐会に出席されご親交を深められました。また安倍首相との首脳会談において、日本企業のサウジ進出を促す経済特区新設や、エネルギーやインフラなど幅広い分野での協力を定めた「日・サウジ・ビジョン2030」が合意されました。サウジアラビアの国王の訪日は1971年のファイサル国王以来のことであり、両国の60年以上に亘る友好の歴史に新たな1ページを加えることとなりました。
日本サウディアラビア協会
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